ふたつめの時間。

突然ゴルフにはまった、仕事もしているアラフィフのブログ。女ですがクルマも好きです。

ゴルフ人口を増やすために出来ること

雨降る2年前の初ラウンド

私は47歳でゴルフを始めた。第二の人生を共に歩むと決めたダンナさんがゴルフ好きで、「おじいちゃんおばあちゃんになっても一緒にできるから、始めるなら今だよ」と言われたのが始まりだ。

 

う~んどうしようかな、と思っていたら、ゴルフクラブのセットが家にドカンと届き、2か月後には初ラウンドの予約が入れられていた。で、「最初はレッスン行ってちゃんと習っておいで」といわれたので、慌てて仕事の後、週2回のレッスンを入れて通った。

 

まずは最低限度のことを習い、なんとか球があたったりあたらなかったりしながら初ラウンドをまわった。ちょうど2年前だ。今でも覚えているが、蓼科東急のアップダウンの激しいコースで、底冷えがして、しかも雨だった。140近くたたいた記憶がある。

 

言われ続けたのは「マナー」

ひどい目にあっても、新しいことをやる楽しさが勝ち、モチベーション高く最後までまわれたのは、ダンナさんがとにかく辛抱強くツーバッグで私に付き合ってくれたからだ。いろいろ注意されたが、それはスイングではなく、マナーだった。

 

「いつか一人で友人や仕事仲間とまわるときもくる。マナーはコースで覚えないと体に入らないからね」というのが彼の言い分だ。

 

クラブは3本持って歩いて。カートに戻らず走って。グリーン上では走らない。靴を引きずっちゃだめ。ラインに乗らない。ブラインドではカートを停める場所を考えて。ホールアウトした時に後ろがいたらクラブ持ったまますぐカートに乗って・・・。などなどなどなど。なんと約束事がおおいのかと正直びっくりした。

 

というわけで、もう漫画のように行ったり来たりしながら走り回っているうちに、私のデビューラウンドは終わったわけだが、心配しながら私の戻りを待っていた先生に、次のレッスンで面白おかしくそのことを話したら、本当にほっとした顔で、また嬉しそうにこういった。

 

「よかった。いいダンナさんだよ。ダンナにゴルフやれといわれて始め、一緒に初ラウンドしてレッスンに帰ってきた奥さんが、”もー二度とゴルフなんかやらない。やめる!”とやけくそ起こすケースは少なくないからね。」と。そして「これなら大丈夫、僕のレッスンとダンナさんとのラウンド続けてれば大丈夫、うまくなる(笑)」と。

 

事実、この愛情あふれる男性二人の支えで、1年半ほどで100を切ることができた。

 

クラブの高齢化問題

さて、今私はダンナと二人で都内のゴルフコースのメンバーになっている。50年以上の歴史があるコースで株券制なので、会員自らが積極的にクラブの品質と発展について、当事者意識をもって関わる、というコンセプトがとても強いクラブだ。しっかりとした面接の段取りがあり、ドレスコード、プレイの態度、マナー、会員間のコミュニケーションやスタッフとの対話、いずれもとても落ち着いている。

 

そんなわけで、会員の方の年齢は比較的高い。最高は90歳を超える方が現役でバンバンまわっておられる。そんなクラブの課題は、やはり会員の高齢化だ。現役時代に仕事でバリバリとゴルフをやり、マナーもプレイもこなれた方たちが今引退されてクラブに通ってこられている。もちろん現役世代もいるが、私などは若輩者といっても過言ではない。しかも女性なので、とても目立つ。女性も圧倒的に少ないからだ。

 

理事の方にも、理事会で入会が許可されたとの報を受けた時、「ぜひクラブを活用してゴルフを楽しむと同時に、この人なら、という若い方をぜひお誘いください。特に女性も増やしたいのでおねがいします。」といわれた。

 

たしかに。と思う。

 

会員権を買って入会したからには、私たちも元気な限りここでプレイしたい。が、会員の同年代は一握りだ。諸先輩方が引退されたら、私たちの同年代、あるいはその下の代を増やさないと、会員数そのものが減ってしまい、クラブの運営が立ち行かなくなる。自分たちのことを考えても、ゴルフ世代の若返りは、一つの責任として努力しないといけない問題なのだ。

 

私がこれまでゴルフをやらなかった理由

ゴルフ人口が減っている、という話はよく聞く。若者の自動車離れ、ライフワークバランス重視、そもそも可処分所得の減少。いろいろな要因が叫ばれているのは、今さら言うことでもないだろう。

 

一方、バブルの時に作りすぎたコースが身売り身売りを繰り返して値段が下がり、プレイフィーが下がって回りやすくなっているという話も聞くが、これは裏を返せば、価格が下がった状態で人口が減っていったら、おのずとコースは運営が立ち行かなくなる、ということでもある。八方ふさがりだ。

 

そこで、私はなんで自分がこれまでゴルフをやらなかったのかを考えてみた。

 

1)土日を使いたくない。

それでなくても仕事が忙しいのに、せっかくの休みを往復いれて8時間も使って、しかも仕事に関わる人達と一緒にいたくない。

 

2)お金がかかる。

ギアはもちろん、バッグ、ウェア、靴、アクセサリー。一通りのものを揃える初期投資が大きい。練習もそれなりにやろうとするといちいちお金がかかる。ラウンドも万単位。そのお金があったら他のことやるよ。

 

3)なかなかうまくならなさそう。

手軽に練習できない、練習場でやっていることと、本番でやることが、環境が違いすぎてすぐ結果につながらない、お金がかかって頻繁にラウンドもできないから、何年やっても成長のスピードがそれほどあがらなさそう。

 

要は、「めんどうくさい」。これに尽きるのだと思う。

 

今は、ゴルフは土日をダンナと一緒に過ごすためのプログラムだし、お金はおじさんおばさんになったから使えるようになったし、時間を目的的に使って上達できるから、成長スピードもそれなりに速い。でもこれは「今だから」できることなのだ。この選択の自由は、基本的に若い人たちではなかなか手に入らない。

 

車離れにはクラブバスを増やしたり、若い人向けのディスカウントプランをコースが用意したりと、業界全体が頑張っているが、本質的なこの「いろいろ面倒くさい」の根本原因は、業界が頑張っても取り除くことはできないだろう。

 

ゴルフの本質的な面白さは何か

もう一度翻って自分のことを考えてみると、私が今完全にゴルフにはまってしまったのは、ゴルフが「面白い」ということを知ったからだ。練習機会が多く、ラウンド経験が多いからこそ短期間ではまったのは事実だが、ゴルフの奥深さを知り、好奇心の沼にはまったから、そこに時間もお金も自ずと使うようになったのだと思う。

 

では本質的な面白さとは何か?

 

1)自分との戦い半端ない

止まっている球を飛ばす球技。相手の球に影響されない球技。自分がどう打つかだけで決まる。自分との対話(あるときは対決)が半端ない。

 

2)思考力の必要性半端ない

相手がいないということは、瞬発力や反応ではなく、まず思考から入る。距離、傾斜、ライ、風、ギア、スタンス、アドレス。あらゆる変数を組み合わせて自分の体と対話して打つ。

 

3)ジェントルマンスポーツであるという社会性が半端ない

歴史に裏打ちされたマナーのスポーツであることから、競技でありながら相手への気遣い、コミュニケーション、ふるまいが含まれて完成する。高度な社会性が必要であるというレベルの高さ。

 

4)贅沢な自然環境が半端ない

たかだか80球から100球を打つだけなのに、手間暇かけて整えられたグリーン環境が広がる、という解放感。

 

思えば、私は基本的に先生にもダンナさんにも、このことを口でも態度でもレッスンでもいつも共有されていて、それは私が上手いか下手かは関係ない次元の時から変わっていない。

 

スコアどうこうの前に、基本的なスイングプレーンをひたすら繰り返し、それをどういう状況でもシンプルに実行できるように自分の体をコントロールすることに終始し、かろうじて自分がいじれるいくつかの変数を調整しながら前に進み、マナーを守る。そしてラウンドしている環境をエンジョイする。

 

うまくいったりうまくいかなかったりしながら、でも回を重ねるごとに、いろいろな点と点がつながり始めて、徐々に線になり、スコアに結果が表れ始め、1年すぎたあたりから視界が急に広がった。だからもっと時間もお金も使うようになり、技も増えて、どっぷりはまって会員権まで買ってしまった。

 

これは明らかに、私に余計なことを言わず、本質的なことだけをぶれずに伝え続けてくれた二人のおかげだ。その上で、自分たちも楽しくゴルフと対面しながら、私の火が付くのを黙って待っていてくれた。

 

「自分が感じる楽しさ」を丁寧に伝えること

結局大事なことは、「教える」とか「やらせる」ということよりも、自分が大切にしていることを大切に伝え、時に注意し、励まし、見守り、支え、丁寧にコミュニケーションしながら楽しく一緒にプレーすることなのではないかと思う。

 

ゴルフ場には若い人優遇やクラブバス増便を頑張ってもらい、私たちゴルファーは威張らずおごらず、まさに文字通り「紳士」に、そして「真摯」に、そして地道に、若手ゴルファーに魅力を伝えていく、ということが大事なのだろう。

 

2週間後、若い女の子二人を車に乗せて、初めて女子3人でラウンドする。楽しんでこよう。

 

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